Abstract
本論文では,自動車内および車外における人々の活動を支援するために,車内会話を記録し再利用可能とする枠組みを提案する.まず,車内会話を構成する再利用可能な会話単位として,会話映像・車外映像のクリップに加え,GPS データなどの周辺情報から構成される車内会話量子を定義し,手作業で会話量子化を行うことでその要件について検討する.次に,研究用のプラットフォームとしてドライビングシミュレータを開発し,シミュレータ上にユーザの指差し対象を検出・表示するシステムと,車内会話の量子化および再利用を行うシステムを実装する.最後に,本システムを用いて行動観察およびアンケート調査を行った結果,システムによって提示された過去の会話量子が人の車内会話に影響を与えうること,とくに話題が途切れた際の話題提供手法として有効であるという示唆を得たこと,また会話量子化作業の支援について,会話の対象や会話の切れ目を推定する手がかりとなるユーザの指差しパターンの一部を明らかにしたことを示す.
Artifacts
Information
Book title
情報処理学会論文誌
Volume
48
Pages
3893-3906
Date of issue
2007/12/15
Citation
岡村 剛, 久保田 秀和, 角 康之, 西田 豊明, 塚原 裕史, 岩崎 弘利. 車内会話の量子化と再利用, 情報処理学会論文誌, Vol.48, No.12, pp.3893-3906, 2007.
Source URL