論文誌

浮世絵の3次元CGアニメーション化の試み

Abstract

本稿では,2次元の絵画作品をコンピュータグラフィクスによって3次元アニメーション化する試みを紹介する.対象とする絵画作品として浮世絵,具体的には歌川国芳の「みかけはこはゐがとんだいい人だ」を題材にする.この作品は,一見すると1人の男性を描いたように見えるが,よく見ると10数名の男性が寄り集まって大きな大人物を表現しているだまし絵になっている.本研究では,この作品を複数人物の登場する3次元CGアニメーションにする.そうすることで,特定の視点から描かれた浮世絵作品を異なる視点から見てみたり,作品として残された瞬間の前後の物語を想像したり,また,登場人物の1人の視点に乗り移ってみたり,という参加型の鑑賞が可能になると考えられる.本稿では,登場人物のCGモデルの作成,モーションキャプチャシステムを用いたモーションの取得,複数モデルが登場するアニメーションの時空間編集などの一連の作品制作のプロセスを説明する.そして,作成されたCG作品のバリエーションとして,作品鑑賞のための視点変化や重力シミュレーションの導入,登場人物のモデル変更などの例を紹介する.

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Information

Book title

情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON)

Volume

2

Pages

1-9

Date of issue

2014/08/20

Date of presentation

2014/08/20

Citation

角 康之, 名生 圭佑, 松村 耕平. 浮世絵の3次元CGアニメーション化の試み, 情報処理学会論文誌デジタルコンテンツ(DCON), Vol.2, No.2, pp.1-9, 2014.